迂遠回廊 2まつろわぬ民の末裔たちが視たものへ 男が1963年に写した最果ての神話を重ねてみる その多重露光が炙り出すブルーグレイのタナトスは 日暮らすほどに無線LANの編み目を侵し いまなお薄明をなみなみと浸し続ける 累々の遠声がする地で 記憶をトレースする迂遠回廊で 01 -...
迂遠回廊 1深淵をのぞくとき 深淵もまたこちらをのぞいているのだとしたら われわれの視線は 都市の翳りで 郊外の空洞で 辺境の廃屋で 此所彼所で絡まり合ってきたはずだ 男がADIEUを告げた荒野の先 幾億のカメラに囲まれた時代 ...